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藍染め

実家に行ってきた。
ここ数年、実家帰るのはお盆の時期でなく八月の終わり頃。
向こう戻った夜は、爽やか通り越して、寒いです、信州……、と夏掛けのお布団の中に籠って眠るまでの涼しさだったけれど、東京戻る日は、「嘘。こんなん暑いっつーか、蒸してるなんて、東日本の代表的な避暑地の一つとして有り得ない」と、涙したなるまでに暑かった……(遠い目)。
蒸してて暑い信濃の国なんて、有り得ない。てか、許せない。

処で。
やはり、ここ数年、実家に戻った際には、叔母上と共に、長野県は松本市という所まで、えっちらおっちら出掛けることにしている。
大分以前、叔母上の友人が紹介してくれて、とある折の法事の引き物のことでお世話になった、藍染めの染織家の方の工房兼ご自宅に、染め物を拝見しに。
何でも、松本という所は、昔は藍染めが盛んだったらしいのだけれども、残念ながら現在では廃れてしまったらしく、叔母上と共に訪れる染織家の方が、県内最後の藍染めの職人さんとのこと。
……何か一寸悲しい話だ。
その方の作品は、某有名婦人雑誌や、某有名着物雑誌等々にも良く載っているので、跡継ぎの方、いらっしゃるのかしら、と内心で心配したくなる。
──んで。
こそこそと貯めたお小遣いを握り締めてお邪魔した今年は、浴衣の反物を見せて頂いた。
ずーっと欲しかったんだ、そちらの工房の浴衣。
絹紅梅の、「すんごい良い反物なのは一目で判るけど、流石にその金額は無理です……」な、大変貴重な反物も出して下さったけど、予算の関係という奴で(笑)、綿の浴衣をゲット。
でも、一寸したお出掛けにも使える、すんごくちゃんとした浴衣。
松煙染のと、どっちにしようか悩んだけれど、そっちは、又来年、お小遣いを貯められたら、ということにして、初志貫徹で藍染めにした。
そちらから仕立て屋さんに出して頂いたので、来月の終わり頃には届くんだ。
中々見掛けない、個性的な柄なんだ。
今年は、もう浴衣のシーズン終わってしまうから、来年にならないと着られないけど、楽しみ〜〜。

それはそうと。
そちらのお宅の玄関先に、「おこもり」という作業工程(だったかな? 確か、半ば付きっきりで藍を掻き回して云々、って行程ってことだった)を経ている途中な、藍の入った瓶があった。
その瓶から薫る藍の匂いが、本当に良い匂いで、お暇する際、正直に&思わず「いい匂い」と呟いたら、見送りに出て来て下さったご主人が、何やらえらいこと喜んで下さったので、「何で?」と頭に巨大な疑問符突き刺したら、理由を教えてくれた。
今時の若い人は、藍染めの藍とか見ると、「キモい」とか言うんだって。
匂いも、気持ち悪いって言うんだって。
あんなにいい匂いなのに&今となっては激しく貴重な物なのに、キモいって何事だ。
そういうこと言っちゃう若人の後頭部を、問答無用でワタクシはぶちたい。
 

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