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モンブラン

少し前のことだけれど、そのブランドの特集番組をBSで見掛けたので、ちと書いてみる。

モンブランの万年筆を持っている。
モンブラン、のブランド名から大抵の方が思い浮かべるだろう、ごっついアレでなく(笑)、細身の物だけれど。
──私のそれは、中学校に進学する時、と或るおば様が進学祝いに贈って下さったものだ。
中学生にモンブランの万年筆!? と、家族一同すっごく慌てたけれど、中学進学でなく高校進学と勘違いされた故のセレクトだったそうで、折角だから受け取って欲しいと言われ、有り難く頂戴した。
それから何年も何年も経った頃、それが、突然の不具合を生じたので取扱店に持ち込んでみたら、修理、と相成り、預けることになった。
そういう訳で、万年筆が私の手から離れて少しばかりが過ぎた頃、代理店から電話が掛かって来た。
曰く、預かった万年筆は既に絶版している古い商品で、修理しようにも部品がないから、ドイツ本国に送りたいが承諾して貰えるか、と。
なので、本国に送ってどうするの? と問うてみたら、本社で部品を作ります、との返答だった。
船便で送って、部品作って修理して、船便で返して貰うから、とても時間が掛かるけれど、構わないならそうする、と。
それを聞いて、一も二もなくお願いした。
数ヶ月後、私の万年筆は新品同様になって返って来た。
かなり感動ものだった。
全世界に名を馳せている、自社の伝統と看板に誇りを持っているブランドって、こうなんだ、と思った。

──その出来事からも、もう、何年も何年も経つ。
贈り主のおば様が鬼籍に入られてから数えても数年が経つけれど、ドイツまでの旅をこなし、おば様の形見のような物と化した私の万年筆は、今も現役でいる。
私はこの先、モンブラン以外の万年筆を使うことも、モンブラン以外の万年筆を買い求めることも、決してない。

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